【作品説明】
遠く、蝉時雨が肌を撫でるように降り注ぎ、
焼け付くアスファルトの熱が、校舎の隅々まで湿り気を帯びてこもる。

誰もいないはずの閉ざされた場所。
まどろむ午後の光は、木漏れ日となって、ひっそりと隠された一角へと滑り込み、青白い陰りを落としていた。
その空間は、まるで許されない秘密を共有する、夢幻のようだった。

やがて、そのわずかな光の先で、純白のセーラー襟が、
吐息のように微かに揺れた。
夏の薄い生地が、汗ばむ素肌に甘く張り付く様は、見る者の視線を絡めとる。
そして、静寂を破るように、微かな音が響き、その後に続く、甘い溜息。
そっと、ひそやかに広がる肢体が描く、はっとするような曲線は、
思わず指先が触れたくなる衝動を駆り立てる。

「学年で人気のあの子が、あ、あんなにも肛門に毛が生えてたなんて──。」

僕は優越感に浸った。
きっとこの事実は僕しか知らないはず。
肛門にびっしりと生えた毛…。

無垢な肉体が紡ぎ出す、官能的な一瞬の美しさ。
気づいているのだろうか、この熱い視線の存在に。
どこか満たしげに、あるいは遠くを見つめる瞳の奥に、秘めたる愉悦が、
確かに漂う刹那があった。

すべての音が吸い込まれたかのような、その場所。
残されたのは、記憶の熱と、肌に残る甘い残像。
光が翳り、影が伸びていくその刹那が、今、ここに、永遠に刻み込まれてる。
それは、僕だけが知る、あの子の甘美な秘密。


【枚数】
191枚
ファイル:PNG
サイズ600×960

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